協会概要刀剣博物館外観

沿革

協会の沿革


 当協会は、太平洋戦争後、駐留軍の没収によって、危うく壊滅しようとしていた日本刀を混乱から救い、これらを後世に伝えるために昭和23年2月24日に文部大臣の認可によって設立された。

昭和
23年 2月   (財)日本美術刀剣保存協会設立(事務所を東京国立博物館内に置く)。
23年 9月   (財)日本美術刀剣保存協会において刀剣保存のため、刀剣等の認定制度を開始。
30年 1月   第一回作刀技術発表会(東京都美術館)。
33年 6月   日本美術刀剣保存協会は、刀剣等の重要指定制度を設ける。
52年 5月   玉鋼製造選定保存技術選定・安部由蔵・久村歓治、日刀保保存団体認定。
52年 11月   島根県横田町に日刀保たたら復興((財)日本美術刀剣保存協会)。
57年 8月   日本美術刀剣保存協会は、刀剣等認定制度を廃止し、刀剣の鑑定制度に改める。
平成
元年 9月   文化庁第一回刀匠作刀技術研修会開始。


明治以降の刀剣行政


 わが国の文化は伝統文化に海外の影響をうけ発展し現在に至っている。しかし、近代以降の明治維新と大平洋大戦時に、日本の文化財は大きな危機に瀕した。特に日本刀は最も甚大な影響を蒙った。これらの時代の推移を行政の上からたどってみる。

明治
3年 12月   庶人佩刀禁止。
4年 4月   「古器物保存方」太政官布告。
9年 3月   佩刀禁止令。
21年 9月   臨時全国宝物取調局設置。
23年 10月   帝室技芸員制度創設(加納夏雄・海野勝みん・宮本包則・月山貞一帝室技芸員となる)。
36年 6月   古社寺保存法(国宝の指定保護制度、社寺の刀剣が対象となる)。
昭和
4年 3月   国宝保存法(国又は公共団体、個人有、城郭建築、旧大名家宝物に対称を拡大)。
8年 4月   重要美術等保存に関する法律(国宝に準ずる文化財の海外流出を防止)。
8年 7月   (財)日本刀鍛錬会は靖国神社境内に日本刀鍛錬所を開設する。
9年     帝展第四部(美術工芸)に刀剣が入選する。
16年 12月   太平洋戦争。
21年 6月   太平洋戦争終戦。
21年 6月   銃砲等所持禁止令(勅令300号)。
25年 5月   文化財保護法(新国宝、重要文化財の新指定制度)。
25年 11月   銃砲刀剣類等所持取締令(刀剣登録制度が始まる)。
28年 8月   武器等製造法(文化財保護委員会の承認をうけて作刀が可能となる)。
30年 5月   高橋貞次(日本刀)重要無形文化財保持者(人間国宝)認定。
31年 3月   刀剣柄巻(山口脩吉)無形文化財記録作成選択。
33年 3月   銃砲刀剣類等所持取締法。
33年 4月   美術刀剣類製作承認規則(新作刀の制度発足)。
38年 4月   宮入行平(日本刀)重要無形文化財保持者(人間国宝)認定。
40年 4月   米光光正(肥後象嵌透)重要無形文化財保持者(人間国宝)認定。
43年 6月   文化庁発足。
46年 3月   月山貞一(日本刀)重要無形文化財保持者(人間国宝)認定
47年 4月   加賀象嵌(米沢弘安)無形文化財記録作成選択。
51年 4月   本阿弥日洲・小野光敬(刀剣研磨)重要無形文化財保持者(人間国宝)認定。
56年 3月   隅谷正峯(日本刀)重要無形文化財保持者(人間国宝)認定。
平成
3年 5月   銃砲刀剣類等取締法の一部改正。
5年 6月  


国の文化財の指定制度


 日本刀は日本文化の精髄であり、文化財としてもその重要性は高く評価されている。その価値により、国では国宝、重要文化財に指定し、これを保護している。また昭和8年から24年までは重要美術品の制度があり、これに認定されたものがある。

 国指定制度による指定文化財を概観し、種別分類の中で刀剣類はどのように取扱われてきたのかみると、種別では工芸品に含まれその中で重要な位置を占めており、国宝・重要文化財の指定をうけて保護されている。



協会の指定・認定・鑑定の制度


 (財)日本美術刀剣保存協会では国の指定制度に準拠して、前記、国宝・重要文化財・重要美術品に次ぐ価値ある刀剣を選定してきた。昭和23年9月22日から、「貴重刀剣」の制度を設けてこれに該当する刀剣を認定し、さらに優れたものを「特別貴重刀剣」に認定した。昭和48年9月1日からは特別に優れたものは「甲種特別貴重刀剣」の制度を新たに設けて認定してきたが、これらは、昭和57年5月で廃止された。そして、同年9月30日から、「保存刀剣」「保存刀装・刀装具」等の制度を新設して鑑定し、その中からさらに優れたものを「特別保存刀剣」「特別保存刀装・刀装具」等として厳正なる審査を経て、鑑定書を発行し、現在に至っている。

 この間において、国の重要美術品等認定制度が廃止されたことに鑑み、重要文化財に準ずる価値ある優れた面においても、強靭性の面においても、その効果を遺憾なく発揮することとなるが、その要因は和鉄がもたらす特質であることに他ならない。


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