刀剣のすべて金梨子地楓紋蒔絵螺鈿鞘細太刀拵 室町時代

日本刀の保存法
 刀剣類を保存するには、錆びさせないこと、また疵などをつけないことです。そのためには次の事柄に注意する必要があります。


1 鞘にも気を配る


 常によく手入れをして、油が乾かないように注意することが必要ですが、どんなに注意しても錆びることがあります。これは多くの場合、「鞘当り」といって刀身が鞘の部分に接触しているためです。これは鞘が悪いので鞘師(さやし)に相談して直さなければなりません。また古い鞘の場合は、鞘の内部に錆や汚れが残っていて、そこから再び錆の出ることもあります。この場合は、鞘を新調しなければなりません。


2 古い拵(こしらえ)に入れない


 古い拵(こしらえ)に入れておくと、とかく錆が出やすいものです。元来、拵はよそ行きの着物で白鞘は普断着なのです。それで昔は白鞘のことを「休め鞘」とか「油鞘」などといいました。平生は普断着を着せておくことが理想です。白鞘は錆が出た場合は、直ちに割って中を掃除することが出来ます。白鞘は続飯(そくい)*でくっつけるものですので、セメダインなどのような接着剤を用いることは禁物です。
* 続飯(そくい)・・・ご飯粒を練った糊


3 刀が錆びたら研師に相談


 万一、刀が錆びた場合は、素人手入れなどはせずに研師に相談することです。角べらや文銭で錆の部分をこするなどのやり方は、研ぐ場合にかえって手数をかけることとなり、刀剣を損ずることになります。病気にかかったら信用ある医者、刀剣が錆びたら信用ある研師ということを常に忘れないようにしましょう。


4 油を絶やさない


 研ぎ上げた直後は錆びやすいものです。半年ぐらいの間は特に注意して、ひと月に1度ぐらいは油をひきかえましょう。


5 半年に一度は手入れを行う


 古い研(とぎ)の刀は普通、そう簡単には錆びないものですが、春秋2度ぐらいは手入れをしたいものです。


6 刀身の保管は湿度の低いところに


 刀剣を保存する場合は立てかけておくことは好ましくありません。これは先の方に油が流れて溜まるからです。できれば湿気の少ない場所に横にしておきたいものです。桐の着物箪笥などに入れておけば理想的ですが、この際は樟脳やナフタリンは避けねばなりません。これは刀剣に錆が出る原因になります。


7 拵(こしらえ)の保管は湿度の低すぎないところに


 刀身はなるべく湿度が少ないところに保管されるのが理想的ですが、逆に拵はあまり乾燥したところは適しませんので、保管場所をよく吟味しましょう。

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