刀剣博物館は日本刀を保存・公開し、 日本刀文化の普及のため、日本美術刀剣保存協会の付属施設として昭和43年に開館しました。
日本刀は古来武器という性質以外に、信仰の対象や権威の象徴としての側面をもち、また美術品として鑑賞の対象にもなっていました。廃刀令後本来の日本刀の役割を終え、更に第二次世界大戦後、日本刀は武器と見なされ駐留軍による没収の的となり壊滅の危機に瀕しました。しかしながら本間順治、佐藤貫一氏等の活動により戦後の混乱を脱し、両氏を中心として昭和23年に美術工芸品としての日本刀の保存・鑑賞・研究・伝統継承のため日本美術刀剣保存協会が設立されました。
日本刀は日本人の豊かな感性により武器が美術工芸品にまで昇華されたといわれる文化財で、千年を越えて大切に保存され、歴史的・文化的にもその果たした役割が大きいと言えます。日本刀に美を感じることは、日本の文化を感じることではないでしょうか。いまなお製作当時の姿を伝え、燦然と輝いている日本刀は、国内のみならず海外からも非常に高い関心が寄せられています。
当館は刀剣類、刀装、刀装具、甲胃、 金工資料、古伝書等を多数所蔵し、その中には国宝の太刀 銘 延吉や国行 (来)、国行(当麻)、重要文化財 太刀 銘 信房、重要美術品 太刀 銘 真景など、国の指定・認定物件も数多く含まれています。
日本刀という特殊な伝統文化の保存、また日本のみならず世界に日本刀を発信していく拠点となるベく、当館は今後も活動を展開していきます。