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H1

種類と作り

刀剣の種類と造込み

日本刀は、形や大きさなどの違いから、以下のような種類に分けられます。

直刀(ちょくとう)

直刀(ちょくとう)

直刀は湾刀(わんとう=反りのついた刀)以前の刀で、古墳時代から奈良時代にかけて制作されました。反りがほとんどなくまっすぐか、わずかに内反りで、平造りや切刃造(きりはづくり)となっています。

太刀(たち)

太刀(たち)

皆さんが美術館・博物館でご覧になるとき、刃を下にして飾ってあるのが太刀で、平安時代(12世紀)後期から室町時代前期まで、腰に佩(は)いて(=吊して)用いたものです。反りが高く、刃長はふつう2尺3寸~6寸(70~80cm)くらいあります。

刀(かたな)

刀(かたな)

太刀に代わって室町時代中期(15世紀後半)から江戸時代末期(19世紀中頃)まで使用され、刃長は2尺(60.6 cm)以上ありますが、太刀よりはやや短いものです。太刀とは逆に、刃を上にして腰に指(さ)します。もとは太刀であっても磨り上げて(長さを変えるために茎から短く詰めること)短くなると刀と呼び、一般の刀と同様に刃を上にして腰に指します。

脇指(わきざし)

脇指(わきざし)

1尺(30.3 cm)以上、2尺(60.6 cm)以下のもので、刀と同じく腰に指します。小脇指と呼ばれる1尺2、3寸(36 cm~40 cm)のものもあります。桃山・江戸時代には「大小」といって刀の指添(さしぞえ=予備として持つ)にし、揃えて一組にして用いられました。

短刀(たんとう)

短刀(たんとう)

長さが1尺(30.3 cm)以内のもので、腰刀とも呼ばれます。また湾刀出現以前の短刀を「かたな」と呼んでいました。

剣(けん・つるぎ)

剣(けん・つるぎ)

両面に刃がついていて、反りのつかないものを剣と呼びます。

造込み

造込み

造込みとは、刀の構造を立体的に言い表したものです。平(ひら)造り、鎬(しのぎ)造り、切刃(きりは)造り、両刃(もろは)造りなど、いろいろな種類があります。